花札の2月(如月)の札に描かれる「梅に鶯」(うめにうぐいす)。実は有名な梅林に出向いて写真を撮影してもそこで見かける小鳥は、メジロ。しかし、その姿は花札の「梅に鶯」によく似ています。実際には、梅の開花期とウグイスの初鳴きにはズレがあり、共存はまずありえないのですが・・・。
生物学的に「梅に鶯」はあり得ない!


奈良時代の歌集『万葉集』に収められた梅の歌はなんと118首もあり、萩に次いで二番目に多く登場する花に。
中世には花見といえば桜(ソメイヨシノは明治以降なのでおもに山桜です)ではなく、梅見のことでした。
梅は春告花、鶯は春告鳥で、このコンビはまさに初春の題材として、歌にも絵にも最適です。
万葉集にも梅と鶯の組み合わせは18首もあります。
では生物学的に梅と鶯の組み合わせがあり得るのかといえば、実際に梅林で鶯を見かける可能性はほぼゼロ。
というのも東京の梅の平均しての開花日は1月中旬〜2月上旬(2026年は1月29日、2025年は1月14日)。
関東地方の鶯の初鳴日は、気象庁の調べでは梅が散った2月下旬〜3月上旬なのです。
念のため大阪など西日本を確認するとほぼ同様の結果で、梅が散った後に鶯の初鳴日という関係が明らかになります。
加えていえば、鶯は昆虫類が主食、花の蜜を好んで吸うメジロとは大違いで、鳥に詳しい人なら、「鶯は梅の花咲く場所では見かけません」と答えるに違いないのです。
ではなぜ、「梅に鶯」なのでしょう?
答えは簡単で、春を愛でる組み合わせとして最高だからです。
梅に鶯は嘘だった!
花札の「梅に鶯」は鶯なのか、メジロなのか

実はこの鳥、色味などは限りなく、メジロに近く、なぜか目だけが目赤になっているのです
鶯の目も赤くないので、単に紅梅の色に合わせたデザインとすれば、限りなくメジロに近い存在ということになります



